風呂好きな赤ちゃんが何をしても笑うボーナスモードになった
我が家では、息子Aを風呂に入れる役割を私が担っている。
妻が出産後に退院して、息子Aを家に迎え入れてから3ヶ月間、一日も欠かさずすべての風呂を私が担当している。
同じぐらいの年の子供がいる友人宅も、特に首が座るまではずっと旦那が風呂に入れていたといっていたので、割と一般的なことのようだ。
我が家では、かねてから湯船に湯を貯める習慣があまりなく、シャワーだけで風呂を済ませてしまうことが多い。
まだ首が座っていないため、取り回しに苦労するという理由もあり、息子Aを湯船につけるのも一週間に一度あるかないかといった頻度だ。
私に片手で首を支えられ、背泳のような状態で湯船に浮かぶ息子Aの姿はなかなか愛らしい。
それ以外の日に関しては、体がすっぽり収まるぐらいのサイズの洗濯桶に息子Aを入れて体を洗ってやっている。
湯船、洗濯桶ともに、湯に浸かっている息子Aの様子を観察していると、どうやらこの子は風呂が好きらしい。
赤ちゃんというのは、衣服やオムツを脱がせば泣き出す生き物なので、必然的に、息子Aが風呂に入る直前というのは、激しく泣き叫んでいる。
特に、この時期は家の中も寒いので、余計にツライのだろう。
しかし、湯を張った湯船もしくは洗濯桶に体をつけてやると途端に泣き止み、至福の表情すら浮かべる。
寒い部屋よりも暖かい風呂の中にいるのが嬉しいのか、浮力で体が軽くなる感覚が好きなのか。
その後、テンションが上がりすぎて、ジャンプするような仕草を見せることもあれば、湯につかりながらいびきをかいて寝てしまうことも多い。
場合によっては、風呂から出そうが、体を拭こうがそのまま寝続けていることもある。
警戒心ゼロ。
完全にされるがままである。
風呂の時間には、夫婦で協力して業務にあたるケースも多い。
私が風呂に入れている間に、脱ぎ散らかした息子Aの服を妻が片付け、着替えや体に塗布するボディクリームや薬類を用意する。
ミルクやおむつ替えは、どちらかが1セットを1から10までやる役割分担になっているので、夫婦のコンビネーションプレーが行われる唯一のタイミングといってもよい。
風呂上りの息子Aは(眠り続けていない場合は)ご機嫌なことが多いのだが、一度、こちらが何をやっても息子Aが笑ってくれるボーナスモードに突入したことがあった。
これは、マリオで言えばスターを取った状態のようなもので、私が顔を近づけるだけで息子Aは笑顔を見せ、脇腹を突っつこうものなら、むせかえるほどに喜んでいた。
私と妻は、このチャンスを逃してはならないとばかりに、これまで溜め込んでいたお蔵入り寸前のネタを惜しみなく披露した。
無反応だった不気味な絵本、白鳥を模した奇妙な踊り、漢 a.k.a GAMIのラップの物真似…そのどれもに息子Aは笑い、これまですべり倒していた数々のネタが輝きを取り戻した。
高揚感に包まれた私たちは、いつもより少し早い時間に消灯し、川の字になって寝た。
息子Aの観察は続く。