療育diary|発達障害の息子との暮らし

発達障害グレーゾーンの息子6歳との毎日についてのこと

発達障害グレーゾーンの息子の話をこのブログでしていこうと思います

こんにちは。

これを書いているラムウこと私には6歳の息子がいます。元々、このブログは息子が生まれたときに赤ちゃんのかわいさを書き留めたいなと思って作ったものでした。

ただ、元来の筆無精のおかげで数記事を作ったところで更新は停止。そのまま5年以上が放置されていました。

それがなんでまた再開しようと思ったかというと。

表題のとおり現在息子は発達障害のグレーゾーンというカテゴライズの中で生活しています。私自身もそれまで想像もしていなかった「障害児の息子の親になる」という立場になってから数年が経ちました。

ある程度気持ちや生活の折り合いがついてきた今のタイミングで、同じ立場の他の親御さんや、これから同じ立場になるかもしれない人たちに何か発信できないかなと思いました。

 

今回は最初なので、まずは息子のこれまでの経緯について書こうかなと思います。数年前のことを思い出しながら書いているので、時系列など細部が多少間違っている可能性がありますが、ご了承ください。

 

発達障害を疑うきっかけは保育園の先生からの指摘

息子は赤ちゃんの頃からあまり手が掛かるタイプではありませんでした。うちの家は都内で夫婦共働き。1歳から息子を保育園に預けていました。

保育園の登園渋りなどもなく、少し言葉の発達などはゆっくりでしたが、反面文字や数字の認識などの発達は早く、特に親として子どもの発達に対して大きく心配はしてなかったです。しかし、3歳になった頃に担任の先生から「伝えたいことがある」と相談を受けました。

内容としては以下のようなものでした。


・集団生活の中で息子くんの行動に少し違和感を感じることがある。
・巡回に来る市の保健師さんも同様のことを言っている。

具体的には、

・呼びかけに対する反応の薄さ。
・前で話す先生への注目のできなさ
・発語の少なさ

などです。

とはいえ、3歳の段階では発達のスピードに差があることは当然なので、現段階で発達障害を疑っているわけではない。「もしお母さんお父さんが心配なら、一度市の支援センターに相談してみては?」「その結果、定型発達だという話になれば安心できると思う」というニュアンスでした。

 

支援員さんとの面談で療育の必要性について助言をもらう

市の支援センターにいき、1時間ほど支援員さんとの面談をしました。

応対してくれたのは二人の支援員さん。両親が一人からヒアリングを受けている間、息子はもう一人の支援員さんと別の部屋へ。「普段の様子について両親が感じていること」「息子が支援員さんとおもちゃで遊ぶ様子や、質問への受け答え」の両面から判断をするとのことでした。

私たち両親は、判断がつかないというのが正直なところでした。

息子の個性と思っていた部分が障害ではないかと言われたときに、あっさりと認められるはずもなく。かと言って、知識として「大人になってから発達障害だとわかって、もっと早くから療育を受けていればと後悔した」といった話もニュースなどで知っていたので、それなら早めに対処を考えた方が…とも。

 

結果、ここでも少しはっきりとしないニュアンスのことを言われました。

・少し目が合いづらいようには感じる。
・質問に対してある程度の答えは返ってくる。
・一緒に遊ぶことにはあまり興味がなさそう。

→ただ全体を通して3歳だと発達の速度に差があるので、なんとも言えない。

「現時点で息子くん自身の発達特性に凸凹があるのか、ただの個性なのかはわからない」「ただし、それがどうあれ早くから療育を受けることは子供にとって確実にプラス」なので、検討してみては?という感じでした。

その言葉が私たちには響いて、療育に通わせることを決意しました。

ただ、この時点では将来への不安の方がずっと強かったように思います。障害児育児というものを全く知らなかったため、あまりに想像がつかなすぎる。だからこそ、悪い方の想像も極端なところまでいってしまう。そんな感じでした。

正直、夫婦揃ってメンタルがかなりまずい状態までいったこともあるのですが、また機会があれば詳しく書けたらと思います。

 

初めての療育

そこからは息子くんが通う療育施設(正式には「児童発達支援」あるいは略して「児発」と言いますが親は大体「療育」って言ってるはず)を探し始めました。

いま思えば、この時が「子どもの進路を選ぶ」という最初の経験だったように思います。それまで特に習い事をしておらず、保育園に通っていたのみでした。その保育園も、家から一番近いところに通っているだけ。「息子の成長のために合う療育はどこ?」って真剣に考えました。

療育と言っても施設の特色は様々です。我が家は、自転車または電車で30分以内で通える距離であることを必須条件としていましたが、その条件の中でも

・個別療育か集団療育か?
・どこに重点を置いた療育をするのか?
・何曜日に通えるか?

など、考える条件は様々。※療育選びに関しては後日、別の記事で選び方のポイントなどを詳しくまとめたいと思います。

ただ、このあたりは地域によっても差がありそうです。私たちは都内近郊に住んでいるので、施設の数としてはかなりの数があり(それまで全く意識してなかったけど児発や放デイが街のあらゆるところにあったとは)、施設の競争も激しく、特色をそれぞれが出しているのかもしれません。

見学にいきまくったり夫婦で話しまくった結果、

・個別療育で認知能力の向上に力を入れている施設
・集団療育でソーシャルスキル向上に力を入れている施設

の2つに通うことに。日程は平日×1+土日の週3回となり、平日の1日は会社にかけあって時短になりました。(うちは夫婦共働き。それぞれが隔週で時短の日を1日もらうイメージ。コロナ禍でテレワークだったこともあり会社も柔軟に考えてくれました)

 

療育に行かせたメリットと、でもそうでもないかもという気持ち

週3という日程数が多かったのか少なかったのか、良かったのか悪かったのかは、正直今でもわかりません笑

これは綺麗事なしにいうと、現在の息子の成長した部分が「療育に通わせたから」なのか「保育園での生活の中から」なのか「年齢的に自然と成長しただけなのか」など、誰にも判断がつかないからです。

療育に行かせることのメリットがあることは間違いない。でも、ほぼすべての土日を療育に費やして、その分、息子の遊び時間を減らすことのデメリットもあったんじゃないか?とも考えました。

療育で支援員さんの配慮の中、スモールステップの成功体験を積むことは絶対に良いことです。でも、特にグレーゾーンの子の場合は「定型発達の子たちの中にいても普通にできている時もある」ことも事実です。であれば、息子へのハードルを少し上げても良かった可能性もあったのかなとも思います。

例えば、療育に通わせる日程のうちの1日を、集団でおこなうサッカーやダンスなどのスポーツの教室に通う日程に充てるという選択肢や、お受験組に混じって幼児教室に通わせる選択肢もありえたかもしれません。何がベストだったのかは正直今でも分かりません。

 

もしかしたら「あなたの家はグレーゾーンだからそんな呑気なことを言ってられる」という意見もあるかと思いますし、うちにはそんな選択肢なんてなかったよ、と嫌な気持ちになられる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、私たちのような「子どもの支援が必要な家庭」という大きなグループの中で、さらに違いを見出して優劣をつけたり敵対するのは本当に意味がないと思っていて。むしろ定型発達の子も含めてすべての子どものあらゆる個性が認められ、自分らしく生きられる世の中こそがゴールだと思っているので、「私は私の経験の中でできることを」「今似た状況にいる誰かに届けばいい」と思って、これを書いています。

 

今でも悩むことはあるけど成長や未来への希望もたくさん

療育に通う中の様子はまたそれぞれ詳しく書くので、そこから現在までの話は、本稿では割愛します。

ということで、療育に通わせて3年ほど経ちました。その間に、息子の得意不得意の傾向も把握し、色々なことと折り合いをつけながら、なんとか小学校では普通級に問題なく通えるんじゃないかという、ある程度の自信を(親も息子も)持てる程度にはなったのかなと思います。

3年間の時間の中で、めちゃくちゃ落ち込んだり、自分たちはよそよりも不幸な家族なんじゃないかなんて思ったりしたこともありました。その時間を経た今は、特別ポジティブでもネガティブでもないフラットな気持ちで日々を過ごせています。

 

最後に総括的なことを、よかったこと、悪かったことに分けて説明します。

まず嬉しい誤算としては「子どもって時として親の想像を越えて成長する」っていうことです。特に5歳〜6歳ぐらいにかけての期間がものすごく成長したように感じます。

元々は、息子が友達と一緒にボールとかで遊んでる姿は見れないのかなあ。でも本人がそれでいいなら、イジメに合うとかでなければそれでもいいのかな、なんて思っていましたが、お友達付き合いもそれなりにはするようになりましたし、それまで全然興味がなく頭足人(頭から手足が生えている人の絵)しか描けなかったのにお絵描きが好きになったり、年相応にアニメやYouTubeを観るようになったり。保育園の年下の子に対して優しい言葉をかけている場面があったり。

最初期に保育園や支援センターで言われた「この年代では成長のスピードに差があるから判断がつかない」の意味が、良い意味で実感できたように感じます。

 

逆に今でも困ることはたくさんあります。息子の話が一方通行なことがあったり、感覚過敏で洋服選びが大変だったり、動くものへの興味が強すぎて集中が逸れたり。

どれも、日常生活の中で小さな困りごとにはなり得る特性です。ただ、その困り感の深さはそこまで深くない(これは保育園、療育、通院先のそれぞれの先生の意見と、夫婦の考えを集約した結果です)。

そう言った特性が表出することがあるけど、おおむね問題なく過ごせている。というレベルでなんとかいけているという感じです。

今は比較的穏やかな状況ですが、小学校で学年が上がるにつれて周囲との差が開く可能性もまだあるわけで、どうなることやらとは思いますし、実際にそうだったというご家庭も多いでしょう。

なので、あくまでうちの場合はそうだったという参考に見ていただければと思います。ネットで子ども発達障害について検索すると、極端に後ろ向きな体験談や、業者の書いた当たり障りのない記事しか出てこないので、私みたいに極端に明るくも暗くもないリアルな体験談を書く人がいてもいいのかな。

そんなことを考えながら、ブログを再開しました。今後、ゆっくりなペースで更新していきたいと思います。